2014年3月22日土曜日

一様なライフゲームの統計的性質4:フラクタル解析

高エントロピーなライフゲームにフラクタル分析を適応してみる.

ビットマップを用いた高速計算

1セルに8ビット割り当てて,セルごとに次のステップの値を計算するのは時間が非常にかかるので,ビットマップを用いて,高速に計算できるコードを新たに作成した.また,4x4セルの取りうる全て場合について,次の値をキャッシュすることで,4セル毎に同時に計算している.マルチスレッド計算も行っている.

コードはGitHubにある

ボックスカウント法

対象は8192セルx8192セルで周期境界条件のフィールド.最もエントロピーの高いと思われる,確率0.364でtrueとなる一様にランダムな配置を初期値とする.

フラクタル解析にはボックスカウント法という方法を用いる.ライフゲームのtrue/falseの値と,一様なライフゲームの統計的性質3で定義した生存/死滅の値について調べる.

図1に,ボックスサイズとtrueセル(上のGIF動画で黒と赤のセル)を含むボックス数の関係を示す.16x16セル以上のボックスサイズでは,傾きは-2でありフラクタル次元は2となっている;のっぺりとしているということ.16x16セルがあれがライフゲームの特徴が現れているといえる.16セル以下のでは傾きが一定となっておらずフラクタル性は見出せない.

図1 ボックスサイズと真セルを含むボックス数
black

図2に,ボックスサイズとaliveセル(下のGIF動画で赤とピンクのセル)を含むボックス数の関係を示す.この場合は16セルに収まらない.ステップ数が大きくなるほど,フラクタル次元が2となるボックスサイズは大きくなる.ボックスサイズが小さい領域でも,傾きがほぼ一定となっておりフラクタル性を持っているといえる.グラフの読み取り方にもよるが,フラクタル次元はおよそ1.2である.

図2 ボックスサイズと生セルを含むボックス数
alive

結論

生存/死滅でみると,ライフゲームもフラクタル性を持っている.

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